Fabミニ四駆カップ2016大会レポート マジFab編

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いよいよお待ちかねのマジFabクラスが開幕です。レース前に集合したマシンは昨年を上回る見た目の奇抜さに驚くばかり。長いマシンや、羽根がついたマシン、金属製のマシン、マイコンを積んだマシンなど去年よりも更にバラエティー豊かになっています。利用しているFabツールも、レーザーカッターと3Dプリンタが主流だった去年に比べ、CNCが飛躍的に増えました。またマイコン、WifiなどでIoT化したミニ四駆も目立ちます。

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プレゼン前の全員集合タイム。去年の妖怪大戦争を超える多種多様なFabミニ四駆が。本気か?出落ちか?

 

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MCはアストさん。池袋にあるミニ四駆バーDRIBARから来ていただきました。今年も実況で大いに盛り上げていただきました。
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と、そこにAutodeskの藤村さんがようやく登場!スリプリの三谷さんと一夜を過ごし、疲れきった顔です。一見笑っていますが、二人共あぶら汗がすごい。。ついに例のものが出来ました!とのこと。発表が楽しみです。

 

そしていつもの恒例プレゼンテーションタイムスタート。根津さん、やまざきさんのコンビネーションは今年も健在。勝利を狙う参加者に、「どう散るか」をしつこく聞くあたりは流石出落ち枠の二人ですね。

それぞれの妄想性能たっぷりのプレゼンテーションは終始笑いに包まれました。

 

DSC_4756今年一番いじられたのはオリジナルマインドの五味さん。メインスポンサーにもかかわらず、五味さんも切削で出来てるんですよね?とほっぺにマイクを突きつけられイジられる羽目に。根津さん、スポンサーさんですよ!

 

さて、注目のマシンたちをご紹介。

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航空機のエンジニアがデザインしたFabミニ四駆。まるでジブリの飛行機の様にプロペラが回ります。下り坂で飛び立つ予定が・・・スタートから数センチ動いて終了。

 

出落ち枠確定かと思いきや、まさかの大活躍を見せた西千葉工作室の黒坂さんのたい焼マシン。去年と一緒かと思いきや、しっぽがバタつくという進化を遂げています。そのしっぽのバタつきのせいか、下り坂も飛び出さず綺麗に着地。勝ち上がるたびに根津さんに、「あのしっぽが効いてるとしか思えない」と言わしめたマシンです。
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路面の勾配に合わせて、左右のパーツがせり出して飛び出しを防ぎ、傾斜に合わせてマシンを斜めした方向に向けるという今回最も凝ったメカニズムを備えたマシン。下り坂でコースに張り付いて重力を無視したようにスピードを維持したまま下る様子は圧倒的な技術力を感じさせます。

その高い技術の一方でレース前に作者の遠藤さんが、左右のローラーの粘着性を上げるため、コロコロの粘着テープでコロコロしていたのと、坂を下るときに全身全霊で念を送っていたのが印象的なマシンです。根津さんは「実はあの念を送ると動作するんでは?」と、技術じゃなくって気合の方を気にしてましたが。


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今回、大会史上最長のマシンとなる金子くんのマインドストーム搭載Fabミニ四駆。計4台のマシンがつながってます。もともと同じように連結した長いマシンを作ろうとしていたやまざきさんが悔しそうに意地悪な質問を投げかけてます。流石、大人げない。


金子くんが構造を紹介してくれています。去年まではお父さんに頼りきりだったのに、成長が嬉しいですね。ちゃんと坂の勾配を考えてブレーキかかる仕組みなんです。おかげで下りはバッチリ!でも重すぎて上り坂を登れず・・・残念! 帰り際にもっとたくさん繋げて、切り離したりしてもいい?っていう質問が、早くも来年の構想が浮かんでいるようです。楽しみにしています。
金子家のブログもチェックしてみてください。

 

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さて、今にも歌い出しそうな風貌の宮坂さん率いるチームアップアローズ。なんとママチャリを持参して登場。自転車をこぐスピードに合わせて、ミニ四駆が進むチャリ四駆なのです。

コースに合わせて漕ぐのがとっても難しそう。スピードを調整するために悪戦苦闘する姿や、突然マシンが逆向きに走りだすなど実は出落ち枠?でも身体を使って走らせる新たなFabミニ四駆で会場を大いに盛り上げていただきました。

 

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やまざきさんはMESHを使ってモータードライバーをコントロールし、6つの電池の出力を調整しブーストをかけるというIoTミニ四駆で参戦。最後はまさかのMESHが飛んで抜けて制御不能に。やはり出落ちの神は裏切りません。

 

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2年連続で根津賞ややまざき賞を獲得している武井さん。今年は精密板金で定評のある海内工業の湊さんとチームで参戦。板金四駆を毎年のテーマである海洋生物に仕上げてきました。なんとロブスター。その名も「LOBSTRIKER」(ロブストライカー)です。発泡スチロール製のケースで登場です。
チタン合金を超高精度な折り曲げ技術などを駆使して作り上げたマシンは、バッテリーマスダンパーを装備し、見た目だけじゃなく走りも速かったですね!
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そしてこのサイドローラーを使った前田さんのFabミニ四駆。このアイデアにはみんな驚かされました。Fabミニ四駆が新たなステージに入ったことを確信した瞬間です。実は僕も同じようなマシンを考えたのですが実現に至らず。これだけシンプルな構造で実現するのはかなり高度な技術と発想力が必要ですね。
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そしてマジFab前にギリギリ間に合ったAutodesk藤村さんとスリプリ三谷さんのFusion360チームのフル削りだしFabミニ四駆(実は背面に3Dプリントパーツが)。アルミボティーにアルミホイールなど、持ちうるコネと技術の全てを使って仕上げてきました。

結果は・・・

1年目と同じく1ミリも動かないという出落ち!みんなの期待を裏切らない男ですね。

再スタートの時には坂の下りからスタートしたいとルールを無理やり変更しての2度目の挑戦。果たして・・・


無事走ったということでしょう!w

スリプリの三谷さんがこのマシンを作るプロセスをFusion360 Baseのブログ「全部アルミの削りだし!ミニ四駆作るよ!!」で全10回で連載されてます。こちらも笑い無しには読めないブログです。ぜひご覧くださいね。

その他にもユニークなマシンやドラマが沢山あり笑いと興奮の絶えないレースでした。

 

DSC_7589異色対決がココに実現。マクロス(ロイ・フォッカー機)、ロブストライカー、CNC削りだしミニ四駆のまさに夢の競演!

 

DSC_7631決勝にまさかの根津さんが!!

 

DSC_7638決勝はこの3台で競うことに。左から柿木さんの岩石スポーツ、中央が遠藤さんの可変マシン、そして右は根津さんのrimOnO。エンジニアが勝つか、デザイナーが勝つか!

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見事優勝は柿木さんの手に!オリジナルマインドの五味さんから優勝賞品のKitMill Qt100の目録とSunさんからストラタシス社のJ750で出力したスイカのトロフィーが授与されました。

柿木さんは更にAutodesk賞も受賞。藤村さんの集中講義が実施されるそうですよ。

DSC00282根津賞には山津さん。マクラーレンM8A 1968をFusion360を習って再現。かなりの速さで優勝も狙えそうでしたよ。しかしたった2ヶ月程度でここまで精巧なモデリングが出来るとは、すごい!

やまざき賞はRolandDGものづくりクラブが自社のUVプリンターやCNCなどを駆使して作った三両連結のへびマシンに。今年はチーム参加も盛り上がりましたね。

毎年技術的にも目覚ましい進化を遂げるFabミニ四駆。今年はCNCの活用により金属やカーボンなど多彩な素材が使われたり、IoTの導入でリモートコントロールやプログラミングなど新たなジャンルが増えてきました。

来年は果たしてどんなFabミニ四駆が登場するのでしょうか。また子供たちが来年どこまで成長して、自分たちで作ってくるのかも楽しみの一つです。
面白そうって思ったあなた、今から始めても間に合いますよ。来年の大会をお楽しみに!

今年の大会も本当に多くのボランティアのみなさんに支えていただき実現出来ました。
大会運営メンバーとして、数ヶ月にわたって手伝っていただいた日高さん、清水さん、光永さん、堀さん、圓田さん、森さん、t-o-f-uのお二人、本当にありがとうございました。その他、当日お手伝いいただいた多くのみなさん、ありがとうございました。また多くのスポンサーの皆様も協賛いただきありがとうございました。

みなさん、もちろん来年もよろしくお願い致します!

 

<オマケ>

レースに出たマシンではありませんが、昨年のチャンピオン大谷さんがVRカメラでコースを撮影してくれましたよ。
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